ライバル

1/20
前へ
/80ページ
次へ

ライバル

私なりに、幸せってこういう事なんだろうって、最近思い始めた。 心からジーンと胸が温かくなる。 そして、それは圭也さんから、貰っているものなんだって。 圭也さんといる事が、私の幸せなんだって、すごく思えた。 「紗良?」 「は!はい!」 圭也さんが私の顔を覗く。 せっかくの非番の日なのに、ぼーっとして、心ここにあらずだなんて。 勿体ない! 「そう言えば、結婚したばかりの頃、お弁当作ってくれたよね。」 「うん。」 「また作ってくれないかな。」 ああ、これが私の思い描いていた結婚生活よ。 「うん。残さずに食べてね。」 照れるように言うと、圭也さんも照れている。 私達を邪魔するものは、もう何もないもんね。 「明日から作るね。」 「うん。楽しみにしてる。」 どうしよう。 圭也さんの笑顔に、またニヤついてしまうよ。
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

68人が本棚に入れています
本棚に追加