68人が本棚に入れています
本棚に追加
「じゃあ、私も一つ言っておきますけど。」
佐藤さんは、ニヤッと笑った。
「私、一条さんのお母様と、仲がいいのはご存じですか?」
「ええっ⁉」
あの、男の子じゃないと孫だと言わない!というお義母さんと?
「前に署に来た時に、ご挨拶させて頂いたんです。私の事、気に入ってましたよ。」
「それ、いつのお話?」
「あれれ?もしかして、結婚した後だったかなぁ。」
途端に可愛い子ぶって!
何が言いたい!
「奥様、流産されたんですってね。」
「どうしてそれを!」
「一条さんが、教えてくれたんです。」
あの男!そう言う事をペラペラと!
「それで、子供ができなかったら、離婚ってお母様に言われたんですって?」
まるで佐藤さんが、意地悪な悪女に見えた。
いや、お弁当渡さないで、自分で食べてる時点で、悪女なんだけど。
「もし一条さんが離婚したら、私、立候補しようかな。」
「何に?」
「もちろん、一条さんの奥さんに!」
最初のコメントを投稿しよう!