ライバル

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家に帰り、玄関を開けた。 「おかえり。」 声のする方を見ると、圭也さんがいた。 「えっ?何で、この時間にいるの?」 「急遽、夜に張り込みする事が決まって、必要な物を取りに来たんだ。」 なんだ。夜の仕事か。 じゃあ、今日は帰って来ないんだ、圭也さん。 そして、その一緒に張り込みする相手って…… 「佐藤さんと一緒に、張り込みするの?」 嫉妬するなんて、見っともないと思う。 でも、不安で不安で、胸がいっぱいだ。 「しないよ。」 私は顔を上げた。 「今日、佐藤に言った。君の気持ちには、応えられないって。」 「圭也さん……」 急に圭也さんの事、抱きしめたくなった。 「圭也さん。」 「なに?」 「……抱きしめてもいい?」 圭也さんは、温かい笑顔で腕を広げてくれた。
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