新たな生活

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顔色が悪い。 「ねえ、圭也さん。起きて。」 圭也さんを揺らしてみる。 「圭也さん!」 すると、看護師さんが私の背中をそっと、撫でてくれた。 「目が覚まされましたら、教えて下さい。」 「えっ……」 看護師さんはうんと頷くと、行ってしまった。 私は椅子に座ると、圭也さんの手を握った。 胸の辺りからちらっと見える包帯。 腕にも、頭にも巻いてある。 良く見れば、痛々しい。 「圭也さん、今日ね。妊娠検査薬を試してみたの。」 目を閉じている圭也さんに、話しかけた。 「そうしたらね、陽性だって。赤ちゃん、また私達の間に来てくれたのよ。」 そんな話をしたら、涙が出て来た。 「だからお願い、目を覚まして。」 必死に圭也さんに訴えた。 「死なないで!圭也さん!」 このまま、赤ちゃんができた事も知らずに死ぬなんて、ダメだよ!
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