0人が本棚に入れています
本棚に追加
天才錬金術師、青々峰鈴鹿
俺は今、女子更衣室にいる。
何でそうなってしまったのかは自分でもよくわからない。
だが、事実俺は今、女子が着替えている目の前にいる。
「犯罪」だ。
普通に考えれば、公然わいせつ罪とか軽犯罪法に引っ掛かるレベルのヤバい行為だ。
だから、俺は気が気じゃなかった。
目を開けるなんてもってのほかだった。
“絶対に目を開けちゃダメだ”
何度もそう反芻していた。
女子の下着姿を見る勇気なんてなかったから。
俺の目の前にいる女子、青々峰鈴鹿は、そんな状況などお構いなしにセーラー服を脱ぎ始めた。
もちろん、俺がここにいることもわかっている。
大体、目を瞑るから待てって言ってんのに、全然聞いてくれないんだ。
恥ずかしくないのか?
それとも、ただの露出魔?
慌てて目を覆う俺をよそに、青々峰はシャツのボタンを外す。
俺の存在なんてはなから気にも留めていないようだった。
まあ、そもそも俺はこの「場所」にいないようなもんだった。
いないっつーか、“存在していない”っていうか…
最初のコメントを投稿しよう!