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「遠野先輩」
「……え、ハムちゃん⁈」
悠里先輩は驚いていた。そりゃそうだ。
「これ、日向から預かって来ました」
「…」
差し出したチョコレートと手紙を見つめたまま悠里先輩は動かない。
「手紙の返事を日向に届けるまでが私の役目です」
涙がこぼれない様に俯いて固く目を閉じた。
「何それ…」
悠里先輩は胸に押し付けられたチョコレートと手紙を受け取った。
そして、すぐに封を開ける音がした。
俯いたまま返事を待つ地獄の時間。
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