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「やっぱりこっちに来たか…」
日向は更衣室の前で私を待っていた。
「どういう事⁈」
「私さ、悠里先輩の事をカッコ良いとは言ったけど…好きだなんて一言も言ってないよね?」
「…え」
「私に気を使って坂本先輩の事が好きだとか言い張るし…」
「…気付いてたんだ?」
「当たり前」
「私からのお節介は、ちゃんと届いた?」
「うん、届いた。ちゃんと伝えてきたよ」
私は日向に抱き付いた。
「そっか、じゃあ…私も、頑張ってみようかな」
「え?」
「公美が"好きな人"よりも"好きになってくれた人"の方を選ぶなら、それはそれで応援するつもりだったから…」
「もしかして、日向…」
友達思いはそっちじゃん…
今までずっと、どんな気持ちでいたのさ。
日向の想いがどうか田中に届きます様に。
どうか私の大切な親友の良さが、全部全部…田中に届きます様に。
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