29人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
部活中もソワソワとした空気は変わらないまま時間がゆっくりと過ぎていった。
私が意識してしまっているせいか、やたら悠里先輩と目が合ってしまう。
サッと目を逸らし球拾いに励む。
「谷原‼︎」
振り返った私の目の前に伸びてきた手は…
「痛て」
「…田中⁈」
コートの延長上にいた私に向かってきた坂本先輩の打ったジャンプサーブを手で受け止めてくれたのは外周中の田中だった。
「お前…大丈夫だったか?」
「…ご、ごめん」
「怪我しねぇで良かった」
咄嗟に出してくれた手をブラブラさせながら田中が走り去って行く。
「公美、大丈夫⁈」
「…うん」
「谷原ぁー…大丈夫か」
「はい‼︎すみません、大丈夫です」
田中…大丈夫かな?
坂本先輩のジャンプサーブを素手でなんて…
最初のコメントを投稿しよう!