04.黒

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「嘘、どうしてこんな色なの……?」 ミチが僕の手を一層強く握りしめた。 彼女の声には震えがあり、その瞳は恐怖で大きく見開かれていた。 空は未だに漆黒に染まったままだ。 「分からない……。でも、何か意味があるはずだ」 僕は必死で冷静を保とうとしながらも、混乱していた。 この花火はただ事ではない。 何か大きな秘密が隠されているように感じた。 「ここは危ない!」と墓地から逃げ出す者もいるし、 父と僕に詰め寄る村人もいた。 原因など知らない。 だけど、祖父が故郷をすてたことに関係があるのだろう。 だったら、こんな風習に縛られなければ良いのに。 花火葬なんて、しなければ良かったのに。 父ですら、祖父の過去を知らない。 寧ろ、火薬を調合し、同級生であった羽賀さんの方が知っているのではないか。 僕は打上場に向かって全力で走った。 ミチは僕の後を追い、父は立ち尽くしたままだった。
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