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「ふーん、君も高校生?」
「高校生です」
「私はミチ。よろしくね」
「ここに集まってる人、全員が花火葬に参加するんですか?」
「集落の人が全員集まるんだよ」
とミチの声に重ねるように、花火師・羽賀さんが詳しく説明してくれる。
「しきたりだからね。花火葬は、総出で開催する。
故人の骨を火薬に混ぜて、空高く打ち上げるんだ。
そうすることで、故人の魂が美しく天に昇るとされているんだよ」
「とても重要な風習なんですね。地域と先祖との絆を大切にしているのか」
父は初めての花火葬に感動しているが、僕は少し怖かった。
言葉の持つ美しい響きと裏腹に、何かオカルトめいたものを感じるのだ。
「そんなことないよ」
僕の心中を察したように、ミチが笑顔で否定した。
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