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「さーて、じゃあ教室まで先生とデートだな」 担任は歩き始めると俺の顔を見上げて、ニヤリと笑い軽口を言う。 そんな担任をからかってやりたくなった俺は、 『そうですね』と言ってから、すっと静かに担任の手をとり、腰を屈めて先生の顔を下からになるように覗き込んで微笑む。 『じゃあ俺と、デートらしいこと、しましょうか?』 掴んで繋いだような形にした手を緩めて、固まってしまっている担任の指の間をいやらしくするりと撫でる。 ぴくりと動いた指先がなんだか可愛らしくて笑いがこぼれる。 『ね、せんせ。』とわざとらしく甘ったるい声を出しながら指を絡ませる。俗に言う恋人繋ぎになった手を目の前まで持ち上げ担任の目を見つめる。 目を見開いたままの担任の顔はそれでも整っていてイケメンすげーんだなってズレたことを考えた。 そこから覚えさせるようにゆっくりと担任の手の甲にキスを落とす。 「あ"ッッ.....?!」 すると担任は繋いでいない方の手で顔を覆いながら腰が抜けたように崩れ落ちた。 上から見える担任の耳と項は面白いくらいに真っ赤になっていた。かーわい、慣れてそうな見た目してんのにウブなんだな。 『わ、先生腰抜けました?大丈夫ですか?』 「...あぁ」とThe.上の空 の様な返事があったが、ちゃんと膝から崩れ落ちていたのでどこか打ったりしている場所がないかを確認する。 ...よし、パッと確認した感じだとどこも怪我は無さそうだな。 担任に呼びかけていると、確認中されるがままで放心状態のようになっていた担任とやっと目が合った。 『よかったー戻ってきた、本当に大丈夫ですか?すみません、ちょっと悪ノリしすぎましたかね』 よいしょと腰をあげた担任は拗ねたようにジト目で俺を見つめてくる。 「お前なぁ、こんなことやってたら周りの生徒が問題を起こすのも納得だぞ」 はぁ、と溜息をつきながら疲れたように言う担任 『ひどいなぁ、俺は先生がデートって言ったからそれっぽいことしただけですよ?流石に、無闇矢鱈とこんなことはしてませんよ』 というか、先生って案外ウブなんですね?と聞きながら廊下を進んでいた方向に歩き出す 「...そんなこと言われたの初めてだわ。別にウブじゃねぇよ、経験もそこらのヤツよかあるわ」 『へぇ。じゃあ、俺だから照れたってことですか?先生そんなに俺の顔好き?』 担任はチラリと俺の顔を見てから前を向いた。 「お前の顔面嫌いな奴なんか地球上に存在しないだろ。もし居たとしても嫉妬だな」 そんな風に褒められて嬉しくないわけが無いよな 『あは、そうやって先生が思ってくれるなら嬉しいです。 あ、教室ここじゃないですか?着きましたね。』 そうやって話しているうちに1-Sと書いた教室の前に着いた。
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