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「じゃあ、和樹も席に着いたから今日伝えておかなきゃいけないことだけ話すな。
えー、明後日は全校で球技大会をやるらしい。朝の職員会議で急に決まったことだから俺も朝聞いた、許せ。
そして、それに向けてチーム分け等をこの1時間目にやる」
わお。急すぎね?
急すぎてクラスの子達がざわつきまくってるわ
てか今思い出したけど、理事長が「和樹くんが来るんだったらイベント用意しとかなきゃね!僕に任せといてよ!」とか言ってたの絶対これだろ。
あの見た目めちゃくちゃイケおじが中身アレなの本当に謎い。
まじであの顔面だから許されてるところあるわ
「てことで、やる球技はバスケとサッカーとドッチボールの3種類な。まとめて手上げて貰うから5分考える時間やるわ。はいスタートー」
何やるかなー。正直どれでもいいから空きあるところに入るのでもいいんだよな...
転校生っていう免罪符もある事だし様子見しよー
「っねぇ、俺、風見 颯太って言うんだ。せっかくの隣の席だし仲良くしてくれたら嬉しいな」
ぼーっとしてると隣の席に座っていた子が緊張した感じで話しかけてきた。
うーわ、この子も凄い顔整ってる。絶対この学校だと人気だろ
スポーツマン系爽やかイケメンだな、この顔は絶対サッカーやってる、うん。絶っ対やってるね
『風見ね、よろしくー俺のことは水瀬でも和樹でも好きに呼んでね』
「うんっ!じゃあ和樹君って呼ばせてもらおうかな、俺のことも名前で呼んでくれていいよ」
『んー。すっごい嬉しんだけど、俺ヒトのこと苗字で呼ぶの好きなんだよね!だからこのまま風見呼びでもい?』
正直、あんまり他人のこと下の名前呼びしたくないんだよなー。これで引いてくれるか、?
あんまり許すと、俺が知らんとこで差が出来てるし手放されてくれないしでいいことないんだよなー、俺の特別ってだけで死ぬほど価値あるらしーし。まあ興味無いけど。
「そっか、そういうこだわりってあるよね!了解!
ね、話変わるんだけど球技大会何にするか決めた?俺はサッカーにしよっかなって思ってるところなんだけど...」
お、思ったより切り替え早い。この感じ色々と分かってくれそうだしだし、この子と仲良くなれたら気が楽かもな。
てかサッカー!絶対それだと思ったわ。"ぽ"すぎる。
『サッカーいいね!風見に似合ってるわ。俺はまだ決まってないんだよねー、転校してきたばっかで人で選んだりとかも出来ないから余ったとこ入ろっかなって。』
「サッカー似合ってるって何?笑 でもありがと、
んーでもそっか、そうなるよね、突発的すぎるもんねこの球技大会。」
『そうそう、だからとりあえず様子見。ま、どこに入るにせよ時間かぶんなかったらサッカー見に行く事に今決めたから、風見のかっこいいところ俺に見せてくれな?』
風見とは結構ノリが会いそうでラッキー。ラッキーついでにちょっとニヤリと笑って挑発めいた顔をしとく。
やる気出してくれると観戦するのに楽しくなるし、自分がチームメイトになるってなったらもっと楽しそうだからな
でも、俺に出会って数分のやつに俺の顔面は強すぎたようだ...。目元や耳が真っ赤になって硬直してしまった。
ふーん、風見はほっぺたの色変わんないタイプなんだなー。とかなんとか無駄な知識が増えたところでシンキングタイムの5分が終わったみたいだ。
"ピピーピピー"
担任の手にあるストップウォッチがなった。
「"カチッ" はい、じゃあ入りたい所に手ぇあげろー。
まずは、バスケー......
ほい次サッカー......
最後、ドッチボール......」
担任が黒板にどんどん集計結果を書いていく。
風見は時間を知らせる音で元に戻っていたのか普通にサッカーの所に手をあげていた。
「...はい、んじゃまあこんな感じだな。で、手をあげなかった和樹と狼谷の2人は人数が足りてないバスケに入ってもらってもいいか?」
『大丈夫です』
「...おう」
そっと狼谷と呼ばれた青年を見る。
うお、またまたイケメンだ。染めたであろうシルバーのショートウルフにバチバチのピアス。まぁ俺もピアスはバチバチだからおそろいなんだけど、
不良系イケメンか〜いいな。
彼の雰囲気的に騒ぐような感じじゃなさそうだし、俺から接点作りに行かないとこれ永遠と接点無くなるな、がんばろ。
ま、バスケ同じになったしいい感じに話しかけてみよ。
「よし、これで全員分決まったな。んじゃ後はやる事ないから自由にしとけー。」
担任はそう言うと教卓の近くにイスを持ってきて座り、プリントか何かを整理し始めた。
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