17人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
雅人の地雷を踏んでしまい、内心慌てる康太。これ以上調子に乗るようなことを言えば雅人に殴られる。そう察した康太は素直にあの噂について話した。
「なんかこの学校、バケモノが出るらしいぜ」
「……は?」
雅人の間抜けな声が隙間風に吹かれる。それはあまりにもくだらなく、馬鹿馬鹿しかった。
「ガキじゃあるまいし、誰が信じるんだよそんな噂。あれか? 学校の七不思議的なやつか?」
真剣な顔でこちらを見る康太を鼻で笑う雅人。その声は一部のクラスメイトにも聞こえており、注目の的になっていた。雅人の下品な笑い声と態度にひそひそとクラスメイト達が耳打ちをし始める。
最初のコメントを投稿しよう!