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「言いたいことがあるならハッキリ言えよ。お前のせいで翔馬が行方不明になったってよ」
「何言ってんだよ。んなこと思うわけねーだろ」
「嘘ついてんじゃねぇぞクソ野郎!」
そう雅人は叫ぶように言うと、康太の顔面に目掛けて拳を振りかぶった。突然のことにガードすることなく、キツく目をつぶる康太。教室では再び女子達の悲鳴と男子達の騒めきが聞こえてきた。
だが次の瞬間──────
「おい、やめろよ」
芯の通った声が教室にいる誰もに届き、康太を殴ろうとした雅人の拳を抑えた。そしていとも簡単に康太から引き剥がす。雅人は掴まれた右手を痛そうにしながら、少しバツが悪そうにヘラヘラと笑った。
「またお前かよ、犬飼」
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