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窓から隙間風が運ばれ、犬飼景の赤い髪の毛が揺れた。だがその目は穏やかではなく、雅人を睨みつけていた。景のオレンジ色の目と雅人の黒色の目がぶつかる。
「関係ねえ奴が首突っ込んでくんなよ」
雅人が怒りの矛先が今度は景へと向く。だが景は怯むことなく反論した。
「関係ある。お前らが座ってた席噤の席なんだよ。なのに汚しやがって」
パンくずや飲みかけのジュースで汚された机を指さす景。
噤というのは景の双子の弟のことだ。ギロリと野次馬の方を見る雅人。見れば、少し後ろの方で景のことを心配してそうな噤がチラチラとこちらを見ていることが分かった。
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