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断末魔のような雷が真夜中の校内に響き渡った。
その音をまるで合図にしてたかのように、ぽつり、またぽつりと、頬を伝う涙のような雨が窓ガラスに当たる。
先程まで雲ひとつ無かったのに、一瞬で淀んでいく空を見て、あからさまに嫌な顔をする田辺翔馬。
「うわ、マジかよー。……傘パクるか」
翔馬は軽く舌打ちをし、これ以上雨が強くならない内に用事を済ませようと足早に廊下を歩いた。スマホのライトで足元を照らしながら目的地を目指す。
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