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「大丈夫だって。オレの身体めっちゃ頑丈だし! それに殴られそうになってる奴のこと見て見ぬふりとか出来ねーじゃん」
そう淡々と言った景は、いつものようにニカッと笑っていた。
見て見ぬふりはできない。この言葉が言えて、実際に行動に移せる人間がどれだけいるだろうか。
景の手を握る噤の手が一瞬、ギュッと強くなる。
「景ちゃんは本当に強いね……」
自分もそうなれたらと消え入る声で呟いた噤の言葉は景には届かず、風に運ばれて行った。
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