山本五郎左衛門(4)

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「うわぁ……ゴリドンやべーな」 「あれは酷いね」  景と噤はサッカー部に同情しながらそっと窓を閉めた。そして自分達が帰宅部であることを心の底から喜んだ。 「……そろそろ帰るか」 「そうだね」  どちらから言うわけでもなく二人はぎっしりと詰まった指定鞄を背負うと、教室のドアを開け、そそくさと教室を後にしようとした。が…… 「あっ、やっと見つけた」  康太が景と同じ目線で、そして今にもぶつかりそうな距離で二人の前に現れた。突然現れた康太に内心驚く景と、思わず景の腕を引いて距離を取ろうとする噤。だが非力な噤では景を動かすことは出来ず、ただただ景の制服を伸ばすだけだった。
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