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「ブハッ、お前あからさまに嫌われてんじゃん」
すると、雅人の笑い声が康太の左斜め後ろから聞こえてきた。その言葉に康太はショックを受けたかのように反応し、雅人に反論する。
だが景と噤はそんな事よりも昼食の時に喧嘩をしていた二人が今、一緒にいることに驚いていた。もう仲直りしたのだろうか?と。
その件について景が尋ねる。
「お前ら仲直りしたのか?」
「ん? あー、まぁな」
照れ隠しなのか康太は景の質問にハッキリとは答えなかった。雅人も特に答えない。どうやら本当に仲直りしたようだ。
だが正直そんなのは景や噤にとってはどうでもいい。二人が喧嘩してようが、仲直りしてようが、関係ないからだ。なのに二人は景と噤をわざわざ探していた。
景と噤はお互い顔を見合わせると、康太になんの用かと聞いた。
「厳密に言えば兄貴の方の力を借りたくてさ」
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