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「いや違う。それも有難いけど」
どうやら景の意気込みは康太が求めていたことと違ったらしい。じゃあ康太は一体何を頼もうとしているんだ、と尋ねる。
「犬飼に頼みたいのは、今日の深夜、俺達と一緒にこの学校に侵入して欲しいんだ」
「夜の学校に……? なんで?」
「実はこの学校には噂があって、深夜になるとバケモノがでるらしいんだ。しかもそのバケモノに会うと喰われるっていう」
「ふざけんなよ! お前らオレをバケモノの餌にするつもりだろ!」
バレバレな康太と雅人の魂胆に景は腹を立てた。友人の為に何かをするのは素晴らしいことだが、だからといって友人の為に他者を犠牲にするのはダメだ。
噤の手首を掴み、帰ろうとする景。
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