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「頼む。馬鹿げた話をしてるのは自分でもわかってる。それでも……翔馬が生きてるなら助けてやりたいんだ」
景に向かって頭を下げる康太。いや康太だけじゃない。ずっとしかめっ面で無言だった雅人までもが景に頭を深々と頭を下げていた。
この異様な光景に景と噤は、互いの目を疑った。何故なら康太が話していた内容は全て噂話にすぎないからだ。根拠も証拠も何も無い。
不安そうに景を見つめ、景の袖を引っ張る噤。そして全力で首を振った。こんなの嫌な予感しかしない、と。
だが景は優しく噤の手を振り払うと、康太と雅人に向かってこう言ったのだった。
「わかった。どんなバケモノでもオレがぶっ飛ばしてやるよ!」
その言葉に康太は顔を上げて喜び、まだ頭を下げている雅人はニヤリと歯を見せて含み笑いをしたのだった。
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