山本五郎左衛門(6)

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 想像しただけで笑顔が込み上げてくる。雅人は早く景が架空のバケモノ(・・・・・・・)に恐怖する姿を動画に収めたいと強く思った。  だがその刹那、雅人のメッセージアプリが静かに震え、誰かからメッセージが来たことを告げた。それはまた康太も同じであり、二人揃って自分のスマホに釘付けになる。こんな時に誰だよと雅人はメッセージの送り主を確認した。 「──────は?」   雅人のスマホを持つ手が微かに震える。何故ならそこには翔馬と名前が書いてあったから。助けてというメッセージを一言こちらに寄越して。 「やっぱり……翔馬はずっとここに閉じ込められてたんだ」  翔馬から送られたメッセージを見て、何やらブツブツと独り言を言っては、スマホをタップする康太。恐らく翔馬に今どこにいるのか連絡をとっているのだろう。
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