山本五郎左衛門(6)

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 一方、スマホも、翔馬とも友人でもない景と噤はイマイチ状況が飲み込めず、困惑していた。一体何があったんだ? と、スマホに食いついていない雅人に景が尋ねる。 「翔馬からメッセージが送られてきた。助けてってな」 「えっ、じゃあ本当にこの学校に閉じ込められてたのか?」 「いやいやいや、んな訳ねーだろ。コイツが本当に翔馬だって証拠もねぇのに。そもそも学校に閉じ込められるってなんだよ」  小馬鹿にしたように口元をつり上げる雅人。あの噂が本当な訳がない。だとしたら人を喰うバケモノは実在することになるし、深夜の学校に侵入した者は皆学校から出られなくなり行方不明となる。それは雅人達も例外じゃない。だからこそ、噂が本当になってはいけない。
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