序章

6/9

17人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
 どうやって雅人のバイクを盗もうかと早速計画を立て始め、用済みとなった教室から出て行こうとする翔馬。 「──────ッ!?」  だがその刹那、よどんだ空の中を稲妻が駆け抜けた。まるで白蛇のような光が翔馬のいる教室の窓ガラスを照らす。  そしてこの時、翔馬はようやく気づいた。 何か(・・)に見られていることに。  チカチカとスマホのライトが点滅し、消える。まだ充電は半分以上も残っているのにも関わらず、スマホの電源が落ちた。かと思えば突然メッセージアプリが起動し、バグったような動きを見せる。 「なんだよ……! どうなってんだよコレ!」  翔馬は完全にパニックになっていた。見たことない動作を繰り返すスマホを直そうと、何度も電源ボタンを押し、再起動を試みる。だがそれをすればする程、スマホはますますバグっていった。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加