序章

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 思わずスマホを投げ捨てる翔馬。酷い悪寒が足元から全身へと駆けていく。先程までは何も感じなかったのに。  翔馬は何者かの視線から逃れるように、教卓の中へと隠れた。震える体を必死に抱きしめ、息を殺す。聞こえるのは窓ガラスを打ち付ける雨音だけ。  すると、遠くの方からペチャペチャと裸足で歩く音が聞こえてきた。水溜まりに足を突っ込んだ時のような……そんな音。  遠くの方で教室のドアを開ける音が聞こえる。その瞬間翔馬は理解した。アイツ(・・・)がこの悪寒の正体だと。体がいっそうと震え、怯える翔馬。
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