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「新作のドレスを用意したの。披露パーティに着るならやっぱり最新のものが一番だと思って」
怜弥さんとドレスを選ぶことを楽しみにして来たはずなのに…出迎えてくれた美蘭さんがその後付き纏うようにして私たちのそばを離れず、、
結局、彼女が勧めるドレスを何着か試着することになってしまった。
元々口を挟むつもりなど無かったのか、兄嫁に逆らうことが出来ないのか…怜弥さんは何も言うことなく、ただ私たちのやり取りを眺めている。
試着したドレスはどれも素敵で、着ているだけで心が踊ったが…ウェディングドレスを纏った私を見たところで怜弥さんの反応は普段と変わらず、
「あぁ…悪くないな、良いと思う」
なんて、愛想のない感想を述べるだけで…特に意見を聞かせてくれたりはしなかった。
最新のものや人気のドレスをひと通り見せてもらったところで、美蘭さんがその中でもお勧めだというものをピックアップして用意してくれた。
「この中のものならどれを選んでも、失敗しないと思うわ。サイズも調整してパーティに間に合うように手配してあげる」
さぁ、選んで…っと美蘭さんに言われ、気分が乗らないままドレス選びが終盤に差し掛かった時だった。
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