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「へぇ…なるほどね。」
少し考えるような素振りを見せた怜弥さんは、私にスマホを返してくれた後…腕時計で時刻を確認し─…
「君の時間は、いくらで買える?」
「……はい…?」
「この後、二時間ほど。俺に付き合え」
「……はい?!!」
「海江田に会わせてやる…代わりに、、」
未だ掴まれたままだった右腕を強く引かれ、かなりの至近距離で目を見つめられると…もう何も考えられない。
「俺の、婚約者のフリをして欲しい」
なんて。歩きスマホで人生が狂った人達の仲間入りを果たしたわけだが……もはやこれは宝くじの一等当選と同じ…いや、それ以上のミラクル。
奇跡が起きたとしか言いようがない。
「喜んで、お供させていただきますっ」
「へぇ…そこまでして海江田に会いたいとは。君もなかなか変わり者だな」
申し訳ありません、海江田 凌輔さん。
私はあなたの名前をついさっき思い出しました。記憶に存在したことも無いです。なんだか利用したみたいになってしまい本当…すみません。
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