553人が本棚に入れています
本棚に追加
/72ページ
「だから、君もそのうちの一人になりたいなら俺が海江田との仲を取り持ってやる。俺と結婚したからといって、彼のことを諦める必要はないし好きに慕ってもらって構わない」
推し活を辞めろと言われるのが嫌で結婚を拒み続けてきたが…まさか、推し活を続けてもいいが担降りしなくてはならない状況になるなんて。
いや、その前に推しが旦那様になるってどういう世界線?その時点で私の人生はゴール…つまり終了したようなものだと思うのだが?!
─…っえ、今って私と怜弥さんが結婚をするという前提で話しが進んでるよね?そうだよね?!
「っあ…あの!!」
「……なんだ?」
「つまり、怜弥さ、、社長は私と結婚したいってことですか?」
「……既に承知の上で話を聞いているものだと思っていたが、俺の見当違いだったか?」
「い、いえ!!全く、そんなことは!」
「なら、そういうことだ。俺は愛す必要がないお飾りの妻と後ろ盾となる権力が欲しい。君はしたくもない見合いを今後する必要は無くなるし、長年慕っていた相手と人知れず逢瀬を重ねることが出来る。」
「あ…あの、その事なんですけど、実は、、」
「─…俺の要望を満たせるのは君しかいない。逆を言えば…君の求めるものを与えられるのも俺しかいない、、違うか?」
違わない─…
私の求めるものは”怜弥さん”、一択。
「何も、一生を共にして欲しいと頼んでいるわけじゃない」
「……え…?」
「俺は四條グループのトップに立ちたい。それが叶ったらその時点で─…離婚することを約束する」
それはつまり、最初から終わりが決まっているということ?
「これは、離婚することが前提の契約婚。君にとっても悪い話じゃないだろ?」
もちろん、断る理由なんてあるはずが無い。お受けするに決まってる、決まってるけど─…
最初のコメントを投稿しよう!