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マンションの敷地内にある小さなマーケットで必要な食材を購入し、早急に料理作りに励む。
実家が裕福だと何も出来ない令嬢だと思われがちだが…”家族以外の人間の作った手料理は信頼できない”なんて変な拘りをもった祖父の教えを守り、昔から料理だけは率先して手伝ってきた。
他の家事には自信が無いものの…料理に関しては胸を張れるような気がしていたので、、
これは腕の見せどころだ、と張り切ってしまうほどに─…私は浮かれていた。
「怜弥さんと記念日のお祝いとかっ、、幸せ」
この結婚は私にとってメリットしかなかった。
彼の胃袋を掴んで、契約延長…いや、終わりの来ない結婚へとシフトチェンジしてもらおう。
そう思いながら、料理の支度を済ませ…身なりを整えて彼の帰りを大人しく待っていた私。
玄関直結のエレベーターのボタンが光ったのを確認して、すぐそこまで彼が帰ってきていることを悟る。
緊張しながらも、彼を出迎えようと…エレベーターの前に立った時─…
「おかえりなさい、怜弥…さ…ん、、」
タイミングよく開いた扉から出てきたのは、待ち焦がれていた旦那様。だけどそこにもう一人、、
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