ナイモノネダーリン/冷酷な旦那様と愛されたい私

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「……沙羅」 振り返り、再び私と目を合わせた怜弥さん。その表情から彼の心情を悟れるほど私の恋愛スキルは高くは無い。 「海江田を下まで送ってくる。」 「あ…それなら、私も一緒にっ」 「必要ない。沙羅は部屋で待ってろ」 それ以上なにも言うことはなく、、怜弥さんは海江田さんに声を掛け…共にリビングへと足を進めた。おそらく海江田さんの荷物を取りに向かったのだろう。 そんな彼らの後ろ姿を見送り…私は怜弥さんに言われた通り自室へと向かう。 私と部屋と怜弥さんの部屋は別。 親族の方が来られた際に怪しまれないように…大きなベッドが置かれた寝室が一つ別で存在するが、各々の部屋にシングルベッドが備え付けられているので二人で同じベッドを共有する必要は無い。 もちろん、私としては共に同じベッドで眠りにつきたいところではあるのだが─… 結婚が決まってから何度かここに訪れたが、一度もそんな美味しい展開を迎えたことは無い。 なので…寝室ではなく、大人しく自分の部屋で怜弥さんが戻ってくるのを待った。
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