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「っあ…そうだ。記念に写真撮らないと!今どきの夫婦は”婚姻届提出完了なう”とかって…ネットに写真を投稿したりするんだろう?」
そんなっ…公開処刑みたいなこと。するわけないじゃないですか、やめてくださいよ!!
っと、一人焦っている私とは違い─…
「……確かに、既成事実は必要だな」
至って冷静にそう答えた彼は、、
並んで隣に座っていた私の腰に手を回し、開いていた距離を詰めるようにして身体を密着させた。
「うんうん…仲が宜しくて、良い事だ。じゃ撮るよ?はいチーズ!!」
彼からスマホを受けとり、何ともアナログな掛け声と共にシャッターをきってくれた警備員のおじさん。
おじさんに罪は無い、本当に…なんの罪もない。
ただ─…
隣にいる偽りの旦那様が何を思ったのか…カメラのシャッターがおりる直前─…私の頬に唇を押し当ててきたことにより、、
目玉が飛び出しそうなほど目を見開いた間抜け顔の私と、瞳を閉じて美しいEラインの横顔を晒しながら頬にキスを落とす貴公子のような旦那様。
と、何とも思い出深い絵面の写真が撮影された。
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