ナイモノネダーリン/冷酷な旦那様と愛されたい私

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身を守っていた布が全て彼の手によって取り払われた頃には─…もう、まともに物事を考えられるような状況ではなくて。 「……沙羅?」 何度か、怜弥さんが私の名を呼んだ気がするのだが…それに応える余裕すらも無かった。 ─…熱いっ、 発熱したのでは?っと思うほどに、身体中が熱を帯びたみたいに熱くて、どうしようも無かった。 「れーや、さんっ…」 不慣れなことを悟られないように…遊び慣れた女の子を演じようって決めていたはずなのに。ここから先、どうすればいいのか分からなくて… 震える手を彼に伸ばせば、それに応えるように私の手をギュッと強く握り…身体に触れていた手を止めた怜弥さん。 (……少しだけ、怖いです) っと、胸の内で思っていることに…彼は気付いているのかもしれない。 夢にまで見た怜弥さんとの甘い夜。それを実際に体験するとなると…話は別で。 私たちの距離がゼロになり、結ばれてしまったその瞬間に─…全て暴かれてしまいそうで、、怖かった。
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