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試着で着た時よりも、サイズが調節されていて着心地もよく…髪型やメイクもいつもと違うので、なんだか自分じゃないみたいで恥ずかしくなってきて、、
鏡を直視出来なかった。
「とっても、よくお似合いです!」
「すぐにご主人をお呼びしましょう!」
支度が完了してすぐに、衣装担当のスタッフさんが怜弥さんを呼びに行こうと扉に手をかけた時だった。
外側から開かれた扉の向こうに立っていた美蘭さんが、こちらへと足を進める。
「…代表っ、お疲れ様です」
慌てて頭を下げるスタッフさん達に目を向けることなく、真っ直ぐに私の前まで来て足を止めた彼女は─…
「この度はご結婚、おめでとうございます」
心のこもっていない祝いの言葉を口にした直後…手に持っていたタンブラーを私の頭の上に持ってくると、、
「これは…私からのプレゼント」
それをその場で、逆さまにひっくり返した。
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