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おいで、っと言われた訳では無いが…彼の目に吸い寄せられるように、、足を前に出して怜弥さんの元まで進んだ。
「……どうしてドレスじゃないの?」
「あれ、振袖ですよね?非常識すぎます」
「我々を馬鹿にしているとしか思えない」
「四條に相応しくない嫁だ─……」
耳を塞ぎたくなるような言葉たち。覚悟はしていたが、こんな風に心が痛むのはきっと私が正常な人間だからだろう。
それでも、、
「─…綺麗だ」
って、怜弥さんがたった一言褒めてくれるだけで全て帳消しになってしまうから不思議。恋は盲目とはよく言ったものだ。
いま、私の視界には、、タキシード姿でこちらを見つめる愛しい推しの姿しか入らない。
「和装が似合うなんて、知らなかった…気が回らなくて悪かったな」
っと、既に演者モードの怜弥さん。寛大な心で私の無謀な演出に付き合ってくれた彼に恥をかかせないように─…
兄夫婦への反撃を開始したいと思います。
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