片想いの終着点

4/4
前へ
/17ページ
次へ
俺は真斗の部屋に入ると、意を決して話し始めた。 真斗に最低だと思われても仕方ない。 そんな俺が、唯一、本気で好きになった相手が真斗なのだ。 だから、この気持ちだけは信じて欲しい。 「真斗の言う通り、俺は毎週好きでもない相手と身体の関係を持ってた。」 「うん。」 「でも、やっても虚しいだけで、なぜか、その時に思い浮かぶのは真斗なんだ。お前に無性に会いたくなった。」 「どうして?」 俺は答える代わりに、真斗の唇にキスをした。 「自分からキスしたいと思う人は、真斗だけ。」 「クズで、ひとたらしで、本気の恋愛はしない主義の晶がなんで俺とキスしたいんだ?」 「真斗が好きだから//」 俺の気持ちは伝わっただろうか? 「俺も晶が好きだ。」 すると、真斗は俺を抱き締めた。 「真斗……」 俺は真斗の背中に腕を回した。 彼の体温を感じながら、俺は目を閉じた。 何度、すれ違っただろう。 何度、傷つけただろう。 その分、これからは真斗だけを愛すよ。 俺は、真斗の頬に手を添えると、唇にキスをした。 「ん、晶/何して...ん/」 「気持ちが繋がったら、次は身体かなと。」 「このクズ。少しは余韻に浸らせろ。」 相変わらず、真斗は口が悪い。 両想いになっても、俺のことをクズと言う。 でもそれでいい。 俺も鈍感な真斗が大好きだから。 これからは、2人で笑い合おう。 いつまでもずっと。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加