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後日談
ピンポーン
「また来たのか。」
「本当は嬉しいくせに。」
今日は水曜日。
真斗と付き合って半年が過ぎた。
この頃には、毎週土曜日の深夜に会いに行くという暗黙のルールは崩れ、俺が真斗の家に転がり込む形になっていた。
「これ。」
「ん?」
「持っとけよ。」
真斗が俺に差し出したのは、合鍵だった。
「え、いいのか!?」
「持ってれば俺が居ない時でも、入れるだろ。」
「うん!ありがとう!!毎日でも来る!!」
「それは……」
「俺が来たらまずいことでもあるのかよ。」
「ないけど…」
珍しく真斗の歯切れがわるい。
俺は真斗に近づき上目遣いで尋ねた。
「俺に隠し事?」
「違う。」
「じゃあ、何?」
「だから、やりたくなる…から。言わせんな、ばか。」
「真斗、我慢してたの?」
「まぁ、仕事終わりで疲れてるだろうし。」
「俺なら大丈夫なのに。真斗となら毎日でも平気。」
「おい、そうやって煽るな。」
「ふふっ、今からしよ?」
「可愛すぎか。」
そう言いながら、真斗は俺にキスをした。
「真斗、愛してる。」
「俺も晶を愛してる。」
俺は今夜も真斗に愛される。
鈍感とはもう言わない。
だからこう言わせて。
俺の最愛の人だと。
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