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「真斗、暇~。」
俺はソファーに寝転びながら言った。
「暇なら帰れば?」
「それは嫌だ。」
「なんでだよ。」
「ひとりだともっと暇。」
俺は床に座っている真斗の背中を見つめた。
「なぁ、暇なら肩揉んでよ。」
「凝ってるの?」
「うん、最近、忙しくてさ。」
真斗が俺に甘えるなんて珍しい。
俺はソファーから起き上がり、彼の両肩に手を添えた。
触っただけでも、かなり凝っていることが分かる。
「すごい凝ってる。」
「そうか、って、いたたっ……」
「ごめん。力強かった?」
「いや、大丈夫。痛気持ちいいから。」
今日の真斗可愛いな。
無防備に俺に触れさせてくれる。
もう少しだけ触ってもいいだろうか?
「あっ、くすぐったい。」
「もしかして、首は弱い?」
「うん、まぁ。」
真斗の弱点発見。
「でも、首も解さないと。」
俺は真斗の首を優しく撫でた。
「ん、」
「気持ちいい?」
「もういいよ、ありがと。」
「遠慮しないでよ。」
「いや、ほんとに大丈夫。」
その時、真斗が振り向いた。
彼と久しぶりに目が合った。
「何か食べるか?」
「真斗が喰べたい。」
「そうやって、いつも口説いてるのか?」
「どう思う?」
「このクズが。」
真斗の声が耳元でこだまする。
そして、彼は俺の耳を甘噛みした。
「俺を喰べたい言ったから、お返し。さてと、ラーメンでも作ろうかな。晶も食べるだろ?」
「ねぇ、今のずるい///」
真斗に噛まれた右耳が熱い。
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