あてつけ

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あてつけ

ピンポーン 「また来たのかよ。」 「真斗、会いたかった。」 「おい、抱きつくな。」 毎週土曜日の深夜1時。 俺は高校からの腐れ縁の真斗の部屋へ行く。 毎回、違う男の匂いを付けて。 なのに、真斗は何も言わない。 迷惑そうにするけれど、結局、俺を泊めてくれる。 だけど、同じベッドで眠っても触れてこない。 真斗にとって俺はただの腐れ縁で、だらしない遊び人。 だから彼は俺の事を、クズと呼ぶ。 「ねぇ、真斗ってば。」 「だから寄るな、酔っ払い。早くシャワー浴びろ。」 「冷たーい。」 「はいはい。」 このやり取り、今夜で何回目だろうか?
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