視えない

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 ボクを含めて四人ほどいたはずなのに三人の声が聴こえない。箒や水で掃除する音が聴こえるもボク以外の気配は感じなかった。 「どうも、お兄さん」  足音が目の前で止まる。  独特な匂い。  嫌な気配。  声質からしてボクと同年代か年下か。 「ごめんね。邪魔なゴミはゴミに出した。今の所、はないんだ。少しオレに付き合ってくれない?」  彼はナイフで縛るロープを切ったのか。ボクの腕を掴むと無理やり立たせる。腕や足を触られ、思わず後ろに下がると椅子に当たり、そのままストンッと硬い椅子に座るや悩む声。 「んーなるほど。次の納品にはお兄さんは必要ないかも。に該当しない。まぁ、暫くはオレの“オモチャ”と言うことで」
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