3-4 農民改造計画

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3-4 農民改造計画

 そして兄の話し始めた内容がこちら。 「お前ら、俺の動画は見たな? 農家の独身連中に嫁さんをゲットさせるために、婚活パーティーをやるっつーやつだ」 「それは見たけど……」 「そんでだ。正直な、俺はこのままではヤツらに勝算はないと見ている」 「どゆこと?」 「これを見ろ」  そう言って兄がスマートフォンで写真を示した。  そこには、お世辞にもイケてるとは言い難い農家の若い衆たちの姿が。そのうち半数程度はどうにも冴えない地味な男性たち。だがそれはまだマシな方で、残りはおまんじゅうみたいな巨漢であったり、偏見を恐れずに言えばコミュ障ヲタクであったり、いかにもヤンチャそうな田舎ヤンキーであったり。  でもその大多数に、わたしは見覚えがあった。 「この前の動画では編集してシルエットしか見せなかったけどな、これが加工前、ヤツらのありのままの姿だ。ほれこれ、隣の中村さんとこのたっつん。莉子、お前も知ってんだろ」 「あー、昔よく遊んだよねぇ。一緒にバッタ捕まえたりして」  わたしたち兄妹の会話に、桃が首を傾げた。 「莉子んち、周り畑ばっかりじゃなかった? 高校の時に何回か遊びに行ったけど、隣に家なんてあったっけ」 「うん、1km先にね」 「それ隣って言うの?」  田舎あるあるです。まぁ、地元の村の中でもわたしの家は特に人里離れてるんだけど。  気を取り直し、兄が話を戻した。 「あと斉藤のじーさんの孫のユキヒロさん。それに黒川のハル兄ちゃん。俺の小中同級生のソウスケ。莉子と同いのケイタ……などなど。コイツらみんな悪いヤツじゃねんだよ。みんな喋ってみると気のいいヤツなんだけど、いかんせんこのルックスだ。見た目が全てとは言わないけどな、最低限の身だしなみってのは必要だと思うわけよ俺。少なくとも、お見合いのスタートラインに立てねぇだろ。つか、これじゃまず女性参加者集まんねぇわ」 「ごもっとも。おニィも人のこととやかく言えたファッションセンスじゃないけどね」 「うるせェェェ!! でもだからよ! だからこそ、莉子と桃ちゃんの力を借りたいわけ!! このクソダサ野郎ども、二人のセンスで改造してそれなりにしてやってくんないィィ!!!???」 「あ、そーゆーこと」 「コイツらもそのあたり自覚があってな、そんで自信を持てない、けど嫁さんは欲しい! だからまず見た目を整えて、ちょっとでも自信付けさせてやりたいわけよ!! 分かる!!?」 「なるほどね。方向性としては間違ってないんじゃない? それで桃も呼び出されたわけ」 「そうみたい」  そこで兄は、ビッシィィィッッ!!! と才造を指差した。
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