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「何せ二人はよぉ、このクソダサいぞうを! ここまで!! 劇的に改造し、その後もメンテナンスしているという実績があるわけだし!!? その手腕でこっちも頼むよォォォォォ!!! 元々の素材がさいぞーとは違うからここまではムリかもしんないけど、最低限、悪印象持たれない程度に整えて欲しいの!!!!!」
「俺、持ち上げられてんのかディスられてんのか微妙なんすけど」
『クソダサいぞう』の異名を持つ草田才造がボソッと不満を漏らす。
でも、想像していたよりはまだマトモな内容だった兄の依頼に、桃は関心を寄せたようだった。
「まぁ面白そうだしぃ? それに、案外さいぞーみたいに化ける人も出てくるかもしれないしねぇ~。あたしも動画に出させてくれるんなら、手伝ってあげてもいいわよぉ」
「出す出す~!! めっさ可愛く撮らせてもらいますぅ~~~!!! 莉子はどぉ!!?」
「まぁ……そんなんで少しでも地元に貢献できるんならいいよ。ただ、わたしは顔出しNGで。目立つのはあんま好きじゃない」
「お前、昔からそうだよなぁ。俺の妹だけあってめんこいんだから、もっと自信持ちゃいいのに」
「血を分けた兄妹でも、目立ちたがりのおニィとは違うの」
「まぁいい。んじゃ来週の日曜、参加予定の野郎どもを集めるからよ、悪いけどこっちまで来てくれるか? 莉子と桃ちゃんの力で、そいつらをミラクルチェンジさせてやってくれ!」
「おっけー♡」
と、ノリノリの桃。わたしも職種柄日曜は休みを取りにくいけれど、まぁ仕方ない。今のところ指名も入っていないので、有給を取ることにしよう。
「でも、そういう話で良かった。てっきりわたしと桃でお見合いのサクラやれとかいう話かと思ったよ」
「女子集めたいのに女子のサクラ入れても意味ねぇじゃん。客寄せパンダならイケメンを入れないと……」
そこまで言って、兄はハッと気付いたように累くんの方を見た。
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