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「頼人さんも先ほどおっしゃっていたように、人のマネなどしなくていいんです。ただ、最初から何をしても無駄だなどとは思わないでください。ここにいる僕のアシスタント……皆さん、彼のことをどう思いますか?」
そう言って累くんは才造を指し示す。すると、その圧に気圧された受講者たちが素直に感想を述べ始めた。
「どうって……まぁ、シュッとしたイケメン? だべぇ」
「んだなぁ。アンタとはまた違うタイプだけど、キリッとして、いい面構えしてんべ」
ビシィィィィッッッ!!!
そう発言した農家男子を、累くんが鋭く指差した。
「はいそこ、もっと褒めて! 背が高くて、知的でクールで、セクシーで、可愛げもあって、どこかミステリアスな、落ち着いた大人のナイスガイでしょう!!?(※個人の感想です) この人何を隠そう、あそこにいる莉子ちゃんの婚約者ですよ!!」
えぇ~~~~~ッ!!!??
と、どよめきが起こった。
「マジかよぉ! 莉子おめぇ、街でえらいイイ男捕まえたなぁ!!」
「いやさすが、村のマドンナを射止める男は俺らとは格が違う……!」
村のマドンナってあんま嬉しくないな。ていうか累くんが何を言いたいのか、ちょっと読めてきた。才造も同じらしく、ずっと死んだ魚のような目で遠くを見つめている。
「と思うでしょう!? でも皆さん、こちらをご覧ください!! 頼人さんお願いします!!」
あいよーと返事をして兄が室内の電気を消し、プロジェクターで一枚の写真を映し出した。被写体は言うまでもなく、昔のモサかった頃の才造。
なんだべ、これ。誰だこのダセェやつ。なんかどっかで見たことあんな――そんな話し声があちこちで起こった。
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