3-6 とうきびファミリーだよ! ほぼ全員集合

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3-6 とうきびファミリーだよ! ほぼ全員集合

『俺はこのなんっっもねぇ農村に賑わいをもたらす革命家、とうきび野郎! 前回の動画で、農村婚活パーティーをやったるぜぇと宣言したが、その続報だァ!』  改造計画および撮影の日から数日後、兄がアップした動画をわたしはまた自宅マンションで才造と累くんの二人と一緒に見た。 『うちの農村からは12名の男子が参加予定。だが正直、みんな女子とは縁遠いシャイなあんちくしょうばっかりだ。女子との接し方も、流行のファッションなんてのも何も知らねぇ。  あ~どうする、こんなんじゃ誰もお見合いになんて来てくれねぇよぉ~!!』 『そういうことなら、あたしたちに任せて!』  桃の声でそんなセリフが流れ、わたしと桃のツーショット画面に切り替わる。桃は顔出しの上、字幕で名前も公開。わたしはとうきびのスタンプで顔だけ隠してもらい、字幕も「とうきび妹(顔出しNG)」。隅の方にちっさく笑顔の累くんも映っている。才造は完全出演拒否。 『あたしたちがみんなをイケてるメンズに変身させてあげる♡』 『なななんとぉ!  助っ人に来てくれたのは、俺の妹とその友達・桃ちゃん。二人とも街で美容関係の仕事をしている。あとなんか無駄に美形な累。あともう一人いるが、出演拒否。  イケてるコイツらの協力で、野郎どものミラクルチェンジを決行した。一人ひとりヘアスタイルのアドバイスをもらい、集団で最寄りの大型ショッピングモールへ出向き、それぞれ似合う服を見立ててもらった。  その結果ァ~~~!!!』  ドラムロールののち、バイオリンの爽やかな旋律が流れ始める。昔、住宅リフォームのTV番組で、劇的に変貌を遂げた改装後の現場を映す時に使われていた曲だ。そのメロディーとともに、わたしたちが改造を手がけた男子たちのアフターの姿が順に映し出された。
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