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『どぉだぁ！ 12名の爽やか農業メンが爆誕したぜぇぇ！！ みんな決してイケメンとは言わねぇが、女子たちに失礼がないくらいには整ったんじゃねぇか？ とうきび妹とその仲間たち、マジサンキュゥゥ！！』
動画の中の兄――もといとうきび野郎が言う通り、身なりを整えた農家の男子たちは、好青年と言っても差し支えないくらいの姿に変身していた。そんな彼らがカメラに向かって順番にぎこちない笑顔を向け、ニックネームの字幕とともに紹介される。農作業着のツナギ姿から、私服にチェンジするエフェクトまでつけられて。
『農家に嫁ぐのもいいかなーなんてちょっとでも思った女子、この中に推せるヤツを見つけた女子！ とにかく俺らに会ってみたいと少しでも思ったら、ぜひ応募してくれ！！
この動画の配信後から、参加者の募集を開始するぜぇ！！ 詳細は概要欄からチェェェェック！！！』
農家メンたちが肩を組んで愉快にラインダンスをするシーンで動画は幕を閉じた。
「……とうきび野郎、動画編集のスキルをどんどん上げてるねぇ」
わたしもただただ感心してしまったが、才造も同じだったようだ。
「頼人さんのこの行動力、素直に尊敬するわ」
「頼人さんの力もあるけど、皆さんホントいい感じに爽やかになったね。いいねとコメントもどんどんついてるよ」
「そうだね、この調子でお見合いの参加者も集まるといいよね」
累くんもまた何度もリピート再生してみたり、コメント欄を覗いたりしながらニコニコしている。
でも、才造には気になるコメントがあるようだった。
「それはいいけどな……『とうきび妹、スタイル良すぎません？』『とうきび妹、絶対可愛いだろこれ』『とうきび妹とお見合いしたい』『無駄に美形の累くん、とうきび妹の彼氏かな』……こういう野郎からのコメント、削除してって言ったらしてくれるかな」
「桃ちゃん可愛い」みたいなコメントの方が多いのに、そこはスルーしてわたしのに対してだけ敏感になる才造。可愛い奴め。まぁそうでなきゃ困るけど。
「アンチコメントよりいいじゃないですか。顔を隠していても滲み出てしまう美女オーラ、さすが僕らのとうきび妹ですよ」
「どーでもいいけどその呼び方やめてくんない？」
「いや、とうきび父&母も、とうきびきょうだいたちも、想像通りかなりイケてたよねぇ。お会いできて嬉しかったな」
そう。累くんも言う通り、先日のこの動画撮影が終わったあと、少し時間があったので、各自の実家に立ち寄ってきたのだ。累くんはわたしと兄の共通の友人として我が家についてきた。
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