21. 久しぶりの学校

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21. 久しぶりの学校

「あれ~? 久しぶりじゃん」 「あ、ほんとだ。元気だったかー?」 「どうしたよ?」  ちょうど立て続けに登校する時間なのか、次から次へとクラスメイトが教室へ入ってくる。……と同時に、皆こちらを見て不思議そうに声をかけてきた。 「ああ、久しぶり。ちょっと今日は用事があって」  クラスメイトからおれの方に向かって掛けられた声に、おれの耳元から聞こえる声が返事を返す。 「おまえら、相変わらずだなぁ」 「だなー。なんか安心するわ」    こちらを見て、みんな楽しそうに笑いながら口々にそう言うと、ワラワラと近くへ寄ってきた。 「な……なんで寄ってくんだよ」  おれは、一気に増えたたくさんの視線にいたたまれなくなって、思わずクラスメイトを拒絶するようなセリフを吐く。  でも、クラスメイトは大して気にもとめない様子で『おれと蒼人(あおと)』の近くまで来た。 「由比(ゆい)も退院して間もないしさ、森島(もりじま)も休学してたから久しぶりじゃん?」  そう。蒼人は久しぶりに学校へ来ていた。  二年生からバースごとのクラス分けだけど、顔なじみの生徒は多いから、久しぶりの登校でもこうやって気軽に声をかけてきてくれる。  昨日の夜突然電話がかかって来たと思ったら、用事があって学校に行くから、朝迎えに行く……という連絡だった。  いや、おれは後から太陽(たいよう)と登校するから……という言葉を聞き流され、久しぶりに一緒に登校することになった。  教室で待つからという言葉も聞き入れてもらえず、何故かおれも一緒に校長室へ。何やら書類の受け渡しをしていた。おれが近くにいても良かったのだろうか……。  そして教室へ戻ると、今まで当たり前だった『蒼人がおれを膝に乗せた状態』で、スマホを操作する。そして画面を見せながら何がいい? そう聞いてきた。  蒼人は午前中顔を出し、お昼前には学校を出るのだと言う。だから、お昼は何を食べたいかという質問らしい。  なんでおれに聞くんだろう? 「ハンバーグにするか?」 「……? 蒼人のお昼だろ? お前の好きなものでいいじゃん」
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