31. 巣作りと約束

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 次に巣作りをする時は、番になるときだろうか。  そう考えると、ふわふわした気持ちと、嬉しくてニヤニヤが止まらなくなる。    蒼人も起きてるかな? と思いながら静かに目を開けてモゾモゾと体を動かすと、頭の上から蒼人の声が降ってきた。 「麻琴(まこと)、おはよう」  そう言って、髪の毛にキスを落とす。 「おはよう」  気恥ずかしいけど、やっぱり嬉しくてニヤニヤしてしまう。 「体調はどうだ?」 「うん、もうすっかり良いみたい。……ありがとな」 「俺に甘えてくれる麻琴、可愛かった」  ──っ!!  突然、蒼人が爆弾を落としてきた。  おれの身体はヒート再来か!?って思う程一気に熱くなる。  頭なんて爆発寸前だ。これ絶対、顔から火が出てるぞ。 「……そっ、それっ……。……それは、そうなんだ……けどっ」  なんて答えるのが正解なのか? ありがとう……というべき? いや、なんかそれはそれで恥ずかしいし……。  しどろもどろになって、あたふたするおれを、蒼人はクスクス笑いながらぎゅっと抱きしめ直した。 「次のヒートでは、番になりたい」  耳元で、再び爆弾宣言。  何度爆弾を落とせば気が済むんだ?  でも、番になりたいということは、この先ずっと側にいて、一生を添い遂げる約束をするのと同じだ。  並大抵の覚悟で言える言葉ではない。 「……ふっ……ふつつかものっ、ですがっ」  自分が三指をついて、深々と頭を下げる様子を思い描く。  実際には蒼人に包みこまれているから、身動きが取れない状態なんだけど。 「待って、麻琴。……俺、まだプロポーズしてないんだけど? それじゃあまるで、プロポーズへの返事だよ」  蒼人は困ったように、でも嬉しそうにおれに言う。  うん、確かにふつつか者ですが……は、結婚の挨拶にもよく使われるよな。 「え……?じゃ、じゃあ……。番って、ください……。よろしく、おねがいします……?」  自分で言っておきながら、よくわからなくなってきた。  番ってくださいってなんだろう……。 「はい、こちらこそよろしくお願いします」
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