34. おれ達、付き合ってるから!

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「やっぱり、お前ら三人はこうじゃなきゃなー」  久しぶりに並んだ姿を見て、クラスメイトが感慨深そうにそう言った。  アルファとベータとオメガがいつも一緒にいるなんて、珍しいと学校でも噂されていた。  でも、おれ達三人をよく知るクラスメイトにとっては、この並びもいつもの光景だったんだ。   「じゃあ、みんな元気でな」  欠席するかもしれないと思っていた卒業式にも出られたし、クラスメイトに大切なことも報告できたし、もう用事は済んだし思い残すこともない。 「おう。またそのうちみんなで集まるから、参加しろよ?」 「その時はまた違う報告が聞けると良いな」   「さあ、どうだろな?」  クラスメイトの言葉に、おれは笑いながら軽くはぐらかすと、蒼人と太陽と一緒に教室の外へ出た。  これで最後か……と名残惜しく思いながら、通い慣れた校門をくぐった。 「麻琴(まこと)も蒼人も、卒業式に出られてよかったな」  今回の事の成り行きを大方把握している太陽は、心底安堵したように言う。 「うん。太陽にはたくさん世話になったし、これからも迷惑かけるかもしれないけど、よろしくな」  中学から高校と、同じ道を辿ってきた三人だけど、ここでそれぞれの道へと分かれる。  太陽は、この高校を選んだ動機となった、バース性の専門性の高い大学へ進学が決まっている。  県外の大学なので今ほど頻繁には会えなくなるけど、ずっと付き合える友達だと思っている。 「じゃあ、またしばらくは会えないけど、連絡するから。元気でな」 「うん、太陽も元気で」  相変わらず、蒼人は言葉を発しないまま、おれの隣でウンウンと頷くだけだった。  太陽はいつもと変わらない蒼人の様子を見て嬉しそうに笑うと、じゃあなと手を振って違う道へと歩いていった。 「いつも一緒にいたから、なんかちょっと寂しいな」 「またすぐに、連絡することになるさ」  太陽の背中を見送りながら、ちょっと感傷的になっているおれに、蒼人はニヤリと笑って言った。
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