取り調べ

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「主任!ヤツはホシで間違いありません」 「ああ...」 「ヤツは犯行時刻にアリバイがないんですよ」 「そうだな...」 「犯行現場に残された指紋が一致しています」 「たしかに...」 「決め手は何と言ってもDNA。現場で採取された毛髪のDNAも完全に同じと先程報告がありました」 「そうか...」 「主任!何をためらっているんですか⁈」 「う~ん。どうも、俺にはヤツは犯人とは思えん。ヤツは確かにくさい」 「当たり前です。ヤツは取り調べで1週間風呂に入ってません!」 「そうか。もう1週間か...」 「主任、さっさと令状を取りましょう」 「ところで、ヤツはお前と大学で同級生だったそうだな」 「えっ...は、はい」 「被害者の女性もお前たちの仲間だったらしいな」 「ええ...同じサークルでした」 「どうやら彼女は男性には人気者だったそうじゃないか?」 「しゅ、主任!それがどうしたって言うんですか?関係ないじゃないですか!」 「そうか。関係ないか...」 「主任!何言ってるんですか!ヤツは犯人です!証拠が揃っています」 「でもな。アリバイはお前にもないんだよ。お前はあの日非番だったろ」 「・・・」 「指紋もDNAもヤツはお前と知り合いだしな。お前なら何とかなる。お前刑事(でか)だろ」 「・・・」 「お前、谷津四郎は文字通りシロだよ」 「ちっ、ちがう!主任。ヤツはホシです!」 「よう、クロダ。ホシはお・ま・え。お前じゃないか。なぁ、黒田星人(せいと)」 「・・・」 「カラスは白く塗っても鳩にはなれねぇんだよ」
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