エピローグ

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 さて、序章に書いた通り、ここで私が何者であるかをお伝えしておこう。私の名は門脇佑馬、東大で柏木氏とともにチェスサークルに在籍し、彼に建部(たけべ)綾足(あやたり)の『折々草(おりおりぐさ)』に出てくる怪死事件の話を聞かせた者だ。最初の事件の記事を週刊誌に掲載した際に名を伏せたのは、普段の私が怪異譚や幻想小説の執筆を(むね)としているので、事件簿に虚構が交えてあると受け取られることを恐れたからだった。しかし、ここまでお読みいただいた方々に、その心配はもはや無用だろう。柏木祐介と昆虫の名コンビが、今後も数々の事件を解決してゆくであろうことを、私は信じて疑わない。柏木氏の新たな活躍をお伝えする日を楽しみに、ひとまずここで筆を置くことにしよう。
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