翼覆嫗煦

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色を変え 秘めた水 音  光さえ 如何(いか)に成ろうと ただ広がるのみ 今は、こんなにも青い。 いや、蒼い。 夕暮れの茜、その後は赤ちゃんの肌のような色 藍と黄金が溶け合って どんどん群青に染まっていく。 そんな穏やかな時だけじゃなく。 曇天や薄曇りの薄鼠色の世界ならまだ優しい。 嵐、台風、吹雪、竜巻、スコール、日照、落雷。 どんなに荒々しく、 非情なまでに恐ろしい様相を見せつけようと、 いや、見せつけられようとも。 どんな時でもその存在が この地球(ほし)を包み込んでいることには 何の変わりもないんだ。 そのことを、 思い出せるだけでも幸せなのかも知れない。 2a208e7e-1f46-4f99-88f4-30c72c8dacc3
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